家事分担ではなく、生活役割分業のすすめ Part 1

家事分担と生活役割分業どっちが効率いい？

結論
お互いの合意がとれるなら、生活役割の分業を目指すべき！
また、生活を良くしたいなら、向上心をもって上を目指すことが必要！

家庭において、家事分担の効率と意味を考える

現在、いろんなところで聞こえてくる夫婦またはパートナーの家事分担について、これ、本当に効率が良いのでしょうか。共働きの場合、夫も妻も勤め先で働き、疲れて家に帰宅する。その後は、掃除、炊事、洗濯などの作業をそれぞれが家事を分担して担う考え方、理想はお互いが同じくらいの家事の量を分担して行う提案ですよね。

なぜ、家庭においては効率の良い分業ではなく、分担を望むのか。ひとつの家庭という組織に属する者同士が、協力しあって円滑に運営することは当然です。しかし、全ての作業を二人で半分ずつこなすことが必要なのでしょうか。

これは推測ですが、恐らく負担の分散を目的としたところでしょうか。しかし、共働きならお互いの勤め先の負担が違うはずです、また、時期や勤め先での役割の変化に伴って負荷が変わるはずです。こういった流動的な環境下では、1つのカテゴリーである作業、家事を効率よく最適に分担をすることができるのでしょうか。

本来、負担の分散を目的として始めたことが、却って片方に多くの負担を強いることになっていませんか。また、責任の所在も不明確で改善することも難しい。

それでは、分業の効率と分担の問題点について、説明していきます。

分業の方が効率がいいのは実証済み

突然ですが、みなさん、
iPhoneはどこで造られているかご存じですか？
アメリカのアップル社ではないですよ～

パーツは韓国、アメリカ、EU諸国、日本で製造していますが、最終組立は中国本土の工場です。製造の受注は台湾Foxconn Technology Groupの中核会社、鴻海(ホンハイ)精密工業、製造はその傘下のいくつかの工場でメインに製造をしています。

アメリカアップル社で企画、設計、プロモーション等を担当し、パーツ製造、最終組み立て及び販売は外注しています。恐らく、アップル自社でコストと手間をかければ、企画から、製造、販売まで全てできるかもしれません。

ではなぜ、製造、販売を外注して、分業化して、得意分野をそれぞれが担うビジネスをするのか。

答えは、とてもシンプル。
1つのポジションで専門性を磨いた方が最終的に到達する技術レベルは高くなり、かかるコストは低くなります。Foxconn は電子機器の生産を請け負う電子機器受託生産の分野では世界最大の企業グループです。つまり、分業で受託生産を極める存在です。性質の違う何かの作業をする場合、分業するほうが確実に効率がいいのは、みなさんもご存じのとおりですが、この例も証明してくれています。

共働き、家事分担の問題点

世の中では ”女性が活躍するため” とか ”女性が輝くため” とか、いわゆる専業主婦ををなくす方向に誘導しているのはなぜでしょうか。まず、背景に日本の平均年収は約500万円とのことですが、20年ほど前から給料が上がっていない。

女性が輝くスローガンを広めることで、今までいわゆる専業主婦の意識を開放する。新時代の新価値観は共働きだと定着させる。二人で働けば、世帯収入が上がり、家事も分担できる。深く考えなければ「なんて素敵な時代、なんて素敵な価値観」と思う人が増える。これで何の疑いもなく共働き家庭が大量生産される。

ただ、僕は夫婦またはパートナーの二人で働くことを推奨するこの考え方に対して疑問を感じる。

当然ですが、二人で働けば合計の世帯収入が増えるのは間違いない、そうすれば、20年間もの間、世の中の給料が上がらない事実に気が付きにくいはずです。その方が都合がいい人達がいる。

本来なら、給料が上がらないことを解消するべきなのに、その問題の解決策はなく、代替案として「世帯二人が働けば合計の収入が増える」これを、然も新時代の価値観として、美しい生き方のように世の中に定着させる。実はただ話の本質のすり替えですよね。

ここで誤解にならないように補足したいのですが、働きたくて外に、会社に、出たいと思う人を決して否定はしてはいない、働くことは社会全体に貢献し、とても貴い存在であり、望む人はそうすればいいと思います。でも、そうではなく、生活のため、食費、教育費、住宅ローンの返済の足しにするためなら、どうでしょうか。ただただ、世帯の収入を少しでも増やすために共働きをする、そんな思いの人はきっと多くいるはずです。

共働きは、家庭内を円滑に運営する作業である家事の効率については、大幅にパフォーマンスが落ちるはずです。また、犠牲になること、我慢を強いることも多くなります。こんな状態の共働きでは、世帯収入は増えたように見えますが、人生が豊かになるかは微妙です。

なぜなら、共働きって、実は昼は会社で働いて、夜はコンビニでバイトするようなダブルワークと同じ性質だからです。どちらも労働力を売ること、どちらも8時間の労働力を売るだけでは足りず、更に多くの ”労働力を売るサイクル” になっています。

この ”労働力を売るサイクル” から脱却しなければ、真の意味で人生が豊かになったとは言い難い。

共働き、家事分担の問題点２

女性の場合、会社では家事のことを考えて自然と出力をセーブし、家庭では会社での仕事、人間関係の疲れを引きずり、手抜きをせざるを得ない。

男性の場合、会社では雑念が入り、仕事に集中して全力を出せない、家庭では多くが得意ではない家事をするが、分担と言えるほどの役割を担えずお手伝い程度で終わる。さらに、自分では家事負担の半分くらいをカバーしてると勘違いしてしまう。

これでは、お互いに不満が溜まり、関係に亀裂が入ることになりかねません。

特に男は想像以上に不器用、向上心も保ち、効率良く働くには家事から切り離した環境が望ましい。僕は２つの仕事を同時進行することさえできません。笑　２つのことを考えると本来のパフォーマンスの70%くらいになるし、ミスが多発します。最高の仕事なんて到底無理です。こうなると本来注力すべき本業は当然中途半端になります。こんな人は、男性の中には少なくないはずです。

今回は少し長い内容なので、Part １とPart 2に分けます。
家事分担ではなく、生活役割分業のすすめ Part 2につづく

最後まで読んで頂きありがとうございました。

これからも人生を少し豊かにすることを更新していきますので、よろしくお願いします。